東証一部上場企業で人事課長をしている緒方です。
「大企業では高卒は出世できない」
出世はサラリーマンにとっては給料や権力に反映される大事なステータスです。けれど、実際に自分が出世できるのかどうか?は時がたってみないとなかなかわからないものです。
しかし、出世できるかどうかを知っている人間もいます。それは人事部です。人事部には出世に関するすべてのデータが集まってきますからね。査定の点数だったり、学歴だったり。
今回は「高卒が出世できるのか?」について、他の企業の情報も交えて紹介してきます。
高卒でも出世できる
いきなり答えです。高卒でも出世できます。私の働いている企業でもそうですし、他の東証一部上場企業でも同じです。(人事課長や部長にじかに聞いています)
これは考えてみれば当然のことで、優秀な人材なら昇進・昇格してもらったほうが会社にとって有益だからです。
逆に考えてみてください。すごく有能な人がいるけれども、待遇が悪い。そしたら、その人はどうしますか?
「ふてくされて仕事をしなくなる」
「他の会社に転職してしまう」
会社や同僚から認められないのに、会社のことだけを考えて働ける人間なんて、そうそういません。
働いているなら、それ相応の対価が必要です。そんなことは誰だってそうです。
そんな有能な人間を出世させないのは、経営者が無能な証拠です。そういった会社は遅かれ早かれ衰退していくのみです。
なので、高卒だろうが、中卒だろうが出世する人は出世します。
出世するための4つの条件
それでは高卒でもどんな人でも出世するのでしょうか?
答えはノーです。
さすがに誰でも出世するわけじゃありません。高卒は出世できないわけではありませんが、大卒に比べると難しいのは確かです。
1.出世コースにのっている
それは出世するには「出世コース」にのっている必要があるからです。ただし、ここでいう出世コースは、「本社勤務している」とか「海外営業にいる」とかそういったことではありません。
出世するスピードが早い「人事コース」に乗っているか? ということです。
東証一部上場企業などでは、大卒・短大卒・高卒で入社した時点で人事コースが違っていることがほとんどです。
人事コースが異なると、出世するスピードが違います。大卒なら40歳で課長になれるけど、高卒だと45歳にならないと課長になれないとかそんな感じです。
「なんだそれ」
と思うかもしれませんが、会社っていうのはそういうもんです。
そこで、自分の人事コースをもう一度確かめてください。出世するスピードが早い人事コースにのっていなかったら、いち早く変更してください。
私が勤めている企業もそうですが、多くの企業では人事コースの転換というものが存在します。
高卒でも大卒の(出世の早い)人事コースに変更できます。
もちろん簡単ではありませんが、出世の遅いコースのままだったらどんどん遅くなるだけです。
2.成績が優秀であること
まぁ、これはいうまでもありません。というか、高卒とか関係ない。
大卒だって成績が優秀じゃなくちゃ出世はできません。40歳で課長になれるのは10人に1人。50歳で部長になれるのは20人に1人とかそれくらいの割合ですから、「普通に働いていて出世したい」なんて甘い考えだったら、できるわけがありません。
3.同じ部署の人からの人望が厚い
人望が厚い人は、やはり出世しやすいです。 上で、成績が優秀な人が出世しやすいと書きましたが、人望が厚くない人は、出世して上に立っても部下が言うことを聞いてくれず成果を出せなくなってしまいます。
実は、このパターンの人は結構多いです。プレイヤーとしてはいい成績を出していても、マネージャーとしては成績を残せない人は驚くほど多いです。
私の元上司も、とても仕事のできる人でしたが、部長になったら全然成果を出せずに降格させらました。
ですから、「人望が厚い」というのはとても大きな武器です。
あなたは人望厚い人ですか?
4.出世しやすい部署を見極める
高卒でも出世しやすい部署というものがあります。その筆頭が「営業部」です。
なぜかというと、大学でも営業の仕方なんて教えてくれないから。「大学卒業したから営業がうまい」なんて人はいません。
営業マンは対人関係がとても大事なので、勉強ができたからといって成績のいい営業マンになれるとは限らないからです。
その他に出世しやすい部署としては、「製造部」や「総務部」なんかがあります。
一方で、出世しにくいのは大卒の人の方が優位な「財務部」とか「開発部」です。経営学部や工学部、デザイン学科など、専門で学んできた人に真っ向から勝負をしようとしたってなかなか難しいです。