こんにちは。東証一部上場企業で人事課長をしている緒方です。
昔とは違って、今は日本でも転職がひんぱんに行われています。
新しい会社に入って
「好きな仕事ができるようになった」
「給料が上がった」
「人間関係がよくなった」
そんな人も多いでしょう。
さて、そんな活況な中途採用市場ですが、今回は「中途採用者は出世ができるのか?」ということについて、紹介していきたいと思います。
目次
中途採用者でも出世できる
結論から言ってしまえば、中途採用者でも出世はできます。
考えてみればごくごく当たり前のことですが、優秀な人材を平社員のままにしておいては会社にとって大きな損失だからです。
人事部の仕事は人を採用することですが、会社に貢献できないような人を採用してしまっては関係各所からお叱りの言葉を受けます。それはもう、うんざりするくらいです。
なので、人事だって必死になって優秀な人材を採用しようと思いますし、実際に中途採用者であっても出世はできます。
出世コース枠で採用されたか?
ただし注意しなければいけないのは「出世コース枠で採用されたか?」ということです。
もう少し簡単に言えば「総合職かどうか?」ということ。
大企業では大きく分けて「総合職」と「一般職」の2つにわかれています。総合職は一般職と比べて与えられる権限が大きく、仕事内容も複雑です。
総合職の方が出世するスピードが早いのはどこの会社でも同じです。
総合職の中にランクがある場合は注意
総合職の中にもA,B,Cコースなどのように、ランク付けされている場合があります。
この場合には「総合職として採用されたから出世コースに乗っているな」と安心するのは早いです。
細分化されている場合、多くの企業では「幹部候補生」「専門職(営業のスペシャリスト、技術のスペシャリスト)」に分けられています。
出世して上に立つためには「人を管理する能力(マネージング)」が必要になりますので、「部下を持つのが嫌だ」「プレイヤーとして働きたい」という人は専門職につくことになります。
対外的には「幹部候補生も専門職も出世するスピードは同じですよ」と、うたっている会社は多いですが、やはり幹部候補生の方が出世が早いです。
役職付きで採用されたなら出世コース確定
募集要項や面接などで「役職付きで採用します」「幹部候補生として採用します」ということであれば、あなたが出世コースに乗っていることは確定です
あとはあなたの頑張り次第でどんどん出世していくことができるでしょう。
中途採用者の出世を阻む壁
中途採用者が出世をしていく上での壁というモノが存在することがありますので、いくつか紹介していきます。
役員になる壁
「中途採用者でも出世できるか?」についてはイエスだと断言できますが、「中途採用者でも役員になれるか?」についてはかなり難しいといえます。
役員にまで登りつめようとする場合は、中途採用者には大きな壁になることが多いです。
1つ参考になるのは、「これまでの役員の中に中途採用者がいたかどうか」です。
中途採用者が役員になっている会社であれば、あなたも役員になれる可能性があります。
また、他にも役員になりやすいものとして以下の2つがあります。
・外資系企業
・元の企業で役員
日本企業は「新卒歓迎、年功序列」の傾向が強いですが、外資系企業の場合には実力主義であることが多いです。成果をどんどん出していれば、外資系企業の場合には役員になる可能性は大いにあります。
また、元いた企業で役員になっているような人であれば「役員待遇」で採用されることもよくあります。
学閥の壁
会社によってはまだまだ学閥が残っている会社があります。
「早稲田大学出身者が社長を歴任している」などです。
人は少なからず出身校をひいきする傾向にありますので、あまりにも出世する人の学校が偏っている会社であれば注意が必要です。
学閥があるかどうかについては、先ほどと同じように社長や役員の学歴を見ればある程度推測できますので、転職する前に必ず下調べしておきましょう。
社内勢力調査の壁
出世するかどうかは「出世する人(しそうな人)に気に入られるかどうか」が大きく影響します。
新卒で入社する場合には、誰が出世しそうかということを長い時間をかけて調べることができます。
しかし、中途採用の場合には、社内の勢力を把握するまでにあまり時間をさけません。
短い時間で「誰についていけばいいのか?」を決めなければいけないので、間違って出世しない人についてしまうリスクがあります。
誰についていけばいいのか? という「人を見る目」があればそんな心配はいりませんけどね。